複筒式ダンパーのエア抜き

複筒式のダンパーは寝かして動かすとエアが噛むので組み付け前にエア抜きをするのが吉ですが、エア抜きに関してはWEB上に正しいと思われる情報がどうやら存在しない。
正立状態で何度か往復させれば抜けるとか、逆さにしてストロークすれば良いとか訳の分からないことをいう人がいますが、それでは抜けません。
逆さにして15分置くとかも不要


複筒は3つの部屋があるので順に押し出していく必要がありますので手順を書きました。

その前に、複筒の内部構造を理解しなければなりません。

■■複筒の仕組み■■


ノーマル状態

エア噛み状態(内筒にエアが有る)

一番伸びた状態から押し込むと、一発目は「スコン」と縮む症状があるならエアが(内筒に存在し)噛んでいる状態です


ジャッキアップして足が伸びきると(上図、左)、バルブがエアのところに行くので、エアが噛みこみ混ざって泡だってしまいます。。
そしてこのように内筒の上部にエアがあるので、「正立状態ではピストンを何度上下させても」必ずエアは残るはずです。


それで、、
■■■ 下記のように順に押し出していきます ■■■




1.逆さにする(倒立)

2.半分くらいまで押しこむ。BからAにオイルが移動

3.少しひっぱる。AからBにエアが移動
(2と3を何度か繰り返す。)

4.少しおしこむ。BからCにエアが移動

5.さらにおしこむ(できればほぼ全部押し込む)ことでエアを全部外筒に

6.縮めたままたてる(正立)

7戻す


完了です

しばらく放置した後、伸びきり状態から押し込んでみて、最初にスコンとならなければエアは外筒に移動しています。(エア抜き完了)
まだ残っているなら最初から繰り返してください。
中身を考え、エアがどこに移動したかを想像しながら行うと良いです。
(5.で縮めすぎると壊れるダンパーもあります。外国製の車高調等)


日本語サイトで唯一、正しい複筒式ダンパーのエア抜き法を記した記事と思ってます笑