手間請け大工の心得

心得というか、ただ速さのみを追求する方法



内容は相当ヒドい部分もあるかもしれませんので、「こういう考えもあるのか」程度でどうぞ。内容に関して、または実行したことによる損失等の苦情は一切受け付けられません。ただし上手く稼げるようになったらご飯でもおごってください(笑)

手間請けでうまくやっている方々にとってはほぼ当たり前の内容のハズですが、未だに雇われでこれから独立するぞという場合、最低コレくらいできなきゃ生き残れません。すでに手間請けでやっているかたでも、もしかしたらなるほど と思うこともあるかもしれません、そういう時は、「なるほど!」ってコメントしていただけると、書いた人がジャンプして一回転します。


随時加筆or訂正するかも。


・・・ではどうぞ


 

 

 


  • 一日いくら貰うつもりか

手間請けの日当は「全体の手間賃÷日数」なので、まず「一日にいくら貰うか」を決めます。目標値は高くないとダメです。パチンコ屋の掃除に負けるようじゃダメ(笑)。


そして、その値段で割って日数を決めます。
それからドコで手を抜くかを考えます。
安すぎて全くやってられない!って現場は断ることもできますが、もっと手を抜けば可能かもしれません。


やっぱ一日△万くらい欲しいねぇ・・(笑)


とにかく安い予算しか無いのなら良い物は出来ないコトを思い知らせてあげる事も必要です。でも次からしごとはこないかも知れませんけどね(笑)。
なので、見えない所で抜く。といっても問題が発生しないようにしなきゃイカンです。ドコを抜くかはまた別項目で。

 


  • 支給材料をケチらない。

時間を掛ければ材料を浮かせられる事って結構ありますが、材料は自分が負担するわけではないのでタダです。なので、時間のほうがよっぽど大事。ばーっと材料を入れてささーーっとやってしまうことを考えます。ただし、材料をムダにすることや、単なる浪費とは違います・・。浪費がバレると請求されたりしますし・・。


なので、例えば、
コンパネが2枚要りそう。でもうまく継いで使えば1枚でいける・・。
そんな時どうしますか?
答え:2枚入れます。 速い方を迷わず選択します。

もし余ったらなら材料は見えないところに隠しておきましょう。
いらないなら刻んで捨ててしまいましょう


これは、意外と慣れるまで難しいので、心を鬼にして行きましょう
 

 

  • 「すべきこと・してはいけないこと・してもしなくてもどちらでも良い事」

「すべき事」とは、構造上やらなければいけないこと、床鳴り、階段鳴りを防ぐための手間などです。耐震性に関わる金物なども絶対省けないのできちんとやります。

「してはいけない事」は、時間のムダになる行為です。

「どちらでも良い事、やってもいいけど、まぁ実際はしなくてもいいこと」は、案外迷う所です。
ですが、大抵は自分のいつものやり方など、気分の問題またはこだわりであったりします。

そして、手間請けの場合、「しなくてもいい事」イコール「してはいけないこと」になります。
なぜなら時間の無駄だからです。


 

  • 抜く所、抜けない所

絶対抜けないのは、床材、階段などです。なぜなら、床鳴り・階段鳴りなどは、素人がすぐわかる所だから。逆にどうでもいいのは天井ですねw。落ちてこなくて、クロスがまっすぐ貼れればokです。アホみたいに丁寧な下地をしなくてもまあ大丈夫です。物入れの天井なんて、あっちとこっちに垂木打ってボード打っときゃokです。なるべくそこらで時間を稼ぐこと。
壁もビス数本あれば倒れてきません。押し入れとか、え?って思うくらい数本でも済ませられます。



 

玄関と、押入れの暗い所の巾木とでは、同じような高い質を追求してはいけないです。つまり玄関は最高度の品質を求めて施工しますが、押入れなんかは適当でok。


真意は、押し入れで稼いだ時間を玄関に回すってことです。
予算のある仕事であれば「全部きちんと」良い仕事が出来て、自分もお客様も満足できますが、予算は非常に限られています。
手間や納期がないからといって全部の質を落としてしまう大工がいますが、それではちと問題です。逆に全部きちんとやろうとしても手間請けでは苦労します。納期遅れ等につながる。
  

時間の投資先をよく考えて、質とスピードをコントロールすること。
これは床と天井の話と同じです

 

  • 手直しを残す

完成後、大抵は、手直し補修というのがあります。傷補修等のために専門業者が入ります。なので、その分の予算がちゃんとある。
汚い言い方をすると、自分の仕事のケツ拭きを「タダ」でやってくれる。・・しかし・・実際はタダではなく、その分の予算が何%かはこちらの分から「引かれている」と考えることができます。


なので、「その数%の予算分の手直しが発生してもいいくらいの質で(スピードで)仕事をしていく」という意味で「手直しを発生させる(残す)」といことです。もちろんわざとやるわけではないですが・・ね・・・・まあ、、、そういうことです。。

 

  • 納期と手間賃

納期がない現場と手間がない現場の場合、どっちが楽でしょうか。納期がなくても人を入れれば仕事は進む。ただし、手間がないと人を入れられません。とにかく手間賃第一。
納期を見て仕事を受けるか断るかではなく、とにかく手間賃を見て判断すること、ってことですかね〜




■■■ 以下は仕事を早くやるコツ、経費節減などについて。(当たり前のことなのですが、大工になったばかりや若い人向け)

  • なるべくクギで済まそう

ビスとクギのスピードの差は想像以上ですので、クギとビス、「どちらでも良い」と言われたら、迷わずクギを選択すること。
昔はクギしかなかったので大丈夫です。解体工事を思い出そう。クギ1本留まってるだけで、どれだけ材料が外れないことか。(笑)


でも失敗すると大変です。そして、クギで打った時に限って高さを間違えていたりします・・


  • 歩く歩数を一歩でも減らす

ボードを切って貼ってビス打って戻って掃除して、などの作業で全てにおいて1歩でも減らすように動く。
実際に歩数を数えてみてね。

 

  • 2階へは手ぶらで登らない。

何か持っていくものがあるはず。

  • 1階に降りるときも手ぶらで降りない。

必ずゴミを持って降りる。
(ただし、はしごの昇り降りは両手に荷物を持たないで・・。安全優先だよ〜。)


これはトイレに行く、または戻ってくるなど、すべての移動に当てはまります。
トイレに行くついでに必ずゴミを捨ててくる。休憩のときも。



 

■■■以下、道具について


 

  • 滑りやすいホースを!

たまにいます。滑りの悪いホースを頑張って使ってる方。最悪です。
毎日使う&作業性に非常に大きく関わる部分なので、ココには投資しよう。
柔らかくても滑りにくいのはダメ。とにかく滑り重視。高圧ホースはマックスすべりホース一択。


 

  • 照明はすべて蛍光灯を使おう。

今時、白熱球は使わなくなりましたねぇ・・見にくい・電流が食われて丸のこが遅くなる・火災の危険など、いいことなし。値段は安いですけど・・。
蛍光灯が安くなりました。32w以上推奨。最近は40wも安くなったッス。接続方法はカスケード接続。クリップランプの差し込みに3つ又のコンセントを挿すとどんどん展開できます。吊るす位置は電気の位置から出た電気線。


  • 電工ドラムは使わないこと。

電工ドラムを使わないように。邪魔です。それに抜けやすい。そのおかげで毎日何分かは時間がムダになっているはず。
全部、延長コードを使うことを強くおすすめします。
電気ボックスから遠いなら20メートルのコードを使えばいい。


何故か、この憎っくきドラムがどの現場にある。今までで、ドラムは使わないという大工はまだ1人しか会ったことがない・・。
邪魔でしょうがないわ!いいかげんにせいw



  • 使いにくい道具はさっさと手放す。

とにかくストレスが貯まる道具、正確な仕事ができない道具、遅い道具は、高いお金を出して買ったからといって「無理して」使わない事。
これはエアホースの話と同じですが、電動工具や手工具全般に言えることです。。。カッター、釘袋、ボードカット定規等簡単な道具でも、1分でも節約できる道具に投資してください。


なので、買って失敗したなって道具はすぐに売る、処分する。 お金になるうちにさっさと売る



後回しにするだけどんどん損します。道具も新しいうちに売れば勉強代程度で済みますので。
私の場合ですと、例えば、買ったインパクトが「使えないなコイツ」って思ったら、次の日に売ってしまったりしてます。
道具は仕事を確実にこなせてなんぼです


これは株式投資と同じですね・・ 塩漬けにしない。損切りを素早く実行する。しかし利益の出るものはなるべく手元に長く残す。





■■■ その他 

  • コレはすごいぞ!という技は他人には教えない事。

これは結構重要です。みんなのスピードが上がると全体の単価が下がります。
みんなが苦労して時間をかけている仕事を「自分だけ2倍や3倍の速度でやるという仕組み」を作らなければこの仕事は終わります。
アッと驚く技や道具は自慢したくなるかもしれませんが、秘密にしとく。これが稼ぐコツです。
なのでここではすごい飛び道具はないです。ごめんだけど。


  • 安全は全てに優先する。

ちょっとしたことでも万一を考える。
外回りの足場での作業、ユニットバス廻りや玄関まわりなどの、土間コン上で脚立作業をするときはヘルメットをかぶる。


当たり前のことをバカにせずにしっかりやる(ABC)
1メートルは一命取る


危険と思ったら迷わずメット。
できる大工ならヘルメットもちゃんとかぶる。 ・・と、くさいこといってみる。
足場に登るときは必ず。
エア工具を使うときは安全メガネ。これいは意外と甘く見ている人が多い。


 



■■■ その他2


  • 雇われからの脱却。

(未だに1万くらいでやってる丁稚のかたに)

日当が安いなら、稼ぐにはとりあえず独立しかないっす。
気分的には、一人で仕事始めると、無いときはどうなるのだろうと不安になるかと思いますが、まあ大丈夫です。 実力次第ですが。
独立するときドコから仕事をとるか?と言われれば、親方の仕事をもらっていくのがいちばん楽ですかね。利害関係をある程度考えて、可能ならやる。この辺りは話し合いになると思いますが、喧嘩にならぬよう賢くやってください。
今の賃金が不当で、腹を割って冷静に話し合いをしても、もうどうしようもない、または仲が悪いなら、さっさとやっちまってok!(笑)


・・・・逆に、親方は自分の仕事をそのまま取られるのが一番怖いですから、なるべく出て行かれないようにしています。なので、上記の場合でしたら実力行使。遠慮してたら生涯安く使われるだけです。
ただし、喧嘩になったりすると結局損をしますから、「とにかく、うまく抜け出し、うまく横取り」していきましょう!


そのためには周りを味方につける、つまり今いる親方の弟子連中。下請けの仕事なら元請けの会社さんカントクさん。直営ならお客さんも味方につけていく必要があります。あとは早目に行動することですかね・・遅くなるほどきついですよ。30超えたらきつくなる。

 


  • もっと稼ぐには?

安く人を使う。
これは上記の逆をやるパターンです。楽して稼げます。


 

  • さらにもっと稼ぐには会社にするってことですかね〜

「稼ぐ」というより企業として「儲ける」というスタンスでないとダメだとおもいますが。
法人化その他に関してはデメリットもあり、いろいろ絡んでくると思うので、この場合は専門家に相談してください




・・・
とりあえずこのへんまで。


さあ明日も、ちょっとだけ、頑張ろー ☆-(ノ゚Д゚)八(゚Д゚ )ノイエーイ




Thank you for reading